2012年10月16日火曜日

方法:何?どう?なぜ? What? | How? | Why?

bootcamp bootleg p-6

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Method : What? | How? | Why?
何?どう?なぜ?

なぜ「何?どう?なぜ?」をつかう?

観察モードの間、「何?どう?なぜ?」はあなたがより深いレベルの観察を進めるのを手助けする道具となる。この単純な足場はあなたが個々の状況について出来事の具体的な観察から、あなたが観察しているこの活動の状況の中でより抽象的で潜在的な感情や動機へと動かしてくれる。これはあなたのチームがフィールドで撮った写真を分析するときの影響力にとって、特に力強い技法だ。それは目的を統合するためであり、チームをニーズ発見のための未来の領域導くためでもある。

どうやって「何?どう?なぜ?」をつかう?

組み立て:シートを3つの欄に分割せよ;「何?」「どう?」そして「なぜ?」
具体的な観察から始める:あなたが観察している人が特定の状況であるいは撮影された写真の中で、何をしているか?形容詞と関連する説明でまとめられた叙景的なフレーズを使え。
理解する過程に移動:あなたが観察しているそのひとはその行動をどのようにしているか?それは努力が必要?彼らは急かされている様に見える?苦しそう?活動や状況はユーザの状況に肯定的あるいは否定的に影響を与えている?再び、ここでも可能な限りたくさんの説明的なフレーズを使え。
解釈の段階に進む:なぜあなたが観察しているそのひとはその行為をしているのか、また個別の方法でそれをを行っているとしたらそれはなぜか?このステップは通常あなたが積極性と感情に関して洗練された推測を造り出すことを要求とする。意味をあなたが観察してきた状況の中に投影するために、解釈の危険を冒せ。このステップはあなたがユーザとともに試すべき前提を明らかにするだろう。そしてしばしばある独特の状況についての思いもよらない認識をあらわにする。

2012年10月13日土曜日

方法:初心者のモノの見かたを身につけろ

bootcamp bootleg p-6

bootcamp bootleg ここからは手法編です。

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Method : Assume a Beginner’s Mindset
初心者のモノの見かたを身につけろ

なぜ 初心者のモノの見かたを身につける?

我々は誰もが自分の経験、理解、専門知識を自分の中に備えている。あなた自身のこれらの側面は、デザイン的挑戦に用いるための信じられない程の価値ある財産だ。しかし、しかるべき時に意図を持って用いるべきだ。あなたの仮定は勘違いかもしれないし、固定観念かもしれない。また、あなたが築けるはずの現実的な共感の総量を限定する可能性もある。こうした先入観を脇に追いやるための初心者のモノの見かたを身につけろ。新たにデザインへの挑戦に取りかかるために。


どうやって 初心者のモノの見かたを身につける?

判断するな。ユーザの活動、状況、決定、「関心」などによる価値判断の影響なしに公正にユーザを観察し、交流せよ。
全てを疑え。あなたが既に理解していると自分で思っている事柄でさえ(特に)疑え。ユーザがどのように世界を理解しているかについて学ぶために問いを投げかけろ。4歳の子が全てについてどのように「なぜ?」と聞くのかについて考えろ。ある「なぜ」についての答えを次の「なぜ」をもって求めろ。
本当に好奇心旺盛でいろ。驚きと好奇心の態度を身につける努力を。特に親しみやすくみえる状況、居心地が悪くみえる状況、いずれの場合でも。
パターンを見つけろ。ユーザとのやり取りの中で浮かび上がる、興味深い脈絡や主題を探せ。
よく聞け本当に。予定案をなくし、その場面を自分の心の中に浸透させよ。ユーザがあなたに言ったことやその言い方を、あなたが次に何を言おうかを考えること無しに、吸収しなさい。


2012年10月12日金曜日

「試す」モード

bootcamp bootleg p-5

「bootcamp bootleg」の図解、第5弾です。

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Test試す モード

試すモードって何?

テストすることは我々の解決策を精緻化してよりよいものにする機会だ。テストモードはもうひとつ、ユーザの生活の適した文脈の中に我々の解像度の低い人工物を置いてみる、という繰り返しのモードだ。あなたがまるで自分が正しいかのように思って試作し、自分がまるで間違っているかのようにテストせよ。

なぜ試すのか?

我々のプロトタイプと解決策を精査するため:テストすることはプロトタイプの次の繰り返しを特徴づける。ときにこれははじめからやり直すことを意味する。
我々のユーザについて学ぶ:テストすることは、観察と交流を通しての感情移入をつくりあげるもうひとつの機会だ。
我々の観点を試し精査する:時にテストすることは 我々が正しい解決策を手に入れていなかっただけでなく、我々が課題を正しくくみ上げるのに失敗していたことも明らかにする。

2012年10月11日木曜日

「試作する」モード

bootcamp bootleg p-4

「bootcamp bootleg」の図解、4回目です。

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Prototype試作する モード

試作するモードって何?

プロトタイピング(試作すること)とはアイデアや探索を頭の中から現実世界に取り出すことだ。物理的なかたちを持つモノなら何でもプロトタイプになりうる。それは、壁に貼ったポストイットのノート、ロールプレイングの活動、空間、もの、インタフェース、あるいはストーリーボードまで。あなたのプロトタイプの解像度はプロジェクトの進捗に相応なものであるべきだ。初期の探索段階では、あなたがたくさんの異なる可能性を素早く学び調査できるように、プロトタイプは雑で迅速に。

試作品は人々(デザインチーム、ユーザ、その他の人々)がそれらを体験し相互作用を起こすことができる場合にもっともうまく機能する。これらの相互作用からあなたが学んだことが、うまく行く解決策をかたち作るだけでなく、より深い共感へ導く手助けをする。

なぜ試作するのか?

従来のプロトタイピングは機能をテストするための方法として考えられていた。しかしプロタイピングは、これらの分野(相互に排他的でない)を含めて、多くの理由で利用されている。
共感を増す:プロトタイピングは、プロジェクトの解決前の段階でさえも、あなたのデザイン対象空間、あなたのユーザについての理解を深める道具である。
探索:考えるために組み立てろ。多種多様な解決策の選択肢をつくり出せ。
試す:解決策をユーザとともに試して精緻化するために、プロトタイプをつくり出せ(そしてコンテンツを生み出せ)。
感化:あなたのヴィジョンを見せることで他者(チームメイト、クライアント、顧客、投資者)をその気にさせろ。

プロトタイピングのゴールの多くは上記の4つのカテゴリーを横断して共有されている。

我々は以下の目的で試作する・・・

学ぶ:もしひとつの絵が1000のことばの価値があるなら、プロトタイプは1000の絵の価値がある。

意見の相違を解決する:プロトタイピングは強力な道具で、曖昧さを排除し、観念化を援助し、誤った伝達を減らす。

対話を始める:ひとつのプロトタイプがユーザとの異なる種類の対話をするためのすばらしい方法になる。

早く安く失敗する:素早く雑なプロトタイプを作ることで、前もって膨大な時間とお金を投資すること無しに、たくさんのアイデアを試すことができる。

解決策を作る過程を管理する:探査のための変数を識別することは、大きな課題をより小さく、テスト可能なまとまりに分割する自信をあなたに与える。

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今回はいろいろな筆記具を試してみました。
鉛筆を持つと、下書きをしたり消しゴムで消したりと、ちょっと自分に甘くなりますね。
やはりペンで一気に描く方が効率はいいのか・・・!?

2012年10月10日水曜日

「観念化する」モード

bootcamp bootleg p-3

「bootcamp bootleg」の図解、4回目です。

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Ideate観念化する モード

観念化するモードって何?


観念化とは、アイデアを生み出すことに焦点を当てるデザインプロセスの段階のことだ。精神的にはそれはコンセプトと成果に対して「押し広げる」過程を表す。それは「焦点化」というよりも「ボワッと広がる」モードだ。観念化のゴールは、広い解決策の空間(大量のアイデアとこれらのアイデアの多様性の両方)を探検することだ。この膨大なアイデアの貯蔵庫から、あなたはユーザとともに試すプロトタイプ(試作)を組み上げることができる。

なぜ観念化するのか?


問題を識別することからユーザのための解決策を探索することへ転換するために、観念化を行う。
様々なかたちの観念化が以下に影響を与える:

・ありきたりの解決策を乗り越えて、このようにあなたの解決策がもつ変革の潜在能力を増大させる。

・あなたのチームの集積された展望と強さを役立たせる。

・思いもよらない探索の領域をあらわにする。

・あなたの変革の選択枝によどみなさ(量)と柔軟性(多様性)を創造する。

・ありきたりの解決策を頭から追い出し、それを乗り越えてチームを動かす。

あなたの知っているどんな観念化の方法かにかかわらず、観念化の基本的な原理は、いつあなたとあなたのチームがアイデアを生み出し、いつあなたがアイデアを評価し、これらふたつを意図的に混ぜ合わせること、を認識していることだ。

2012年10月9日火曜日

「問題点を明確にする」モード

bootcamp bootleg p-2

「bootcamp bootleg」の図解、3回目です。


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Define問題点を明確にする モード


問題点を明確にするモードって何?


問題点を明確にするモードとは、あなたが感情移入して得た発見の中身を取り出して、説得力のあるニーズと洞察力の中に統合し、具体的で意味のある挑戦を探し出す場面だ。それは「パッとひろがる」というよりは「焦点化」のモードだ。問題点を明確にするモードのふたつのゴールは、自分のユーザとデザインする空間についての深い理解を育むこと、そしてその理解に基づいて、実践可能な課題の定義:あなたの観点POV:point of view)を提示することだ。あなたの観点は特定のユーザと、感情移入モードの間にむき出しにした洞察力とニーズに焦点を当てた定義を導き出すものであるべきだ。

単に働きかけるために課題を定義すること以上に、あなたの観点は、感情移入モードでの活動中のあなたの発見に基づいて組み立てられた、あなた独自のデザインのヴィジョンだ。取組への意味のある挑戦を理解することとあなたのデザインワークの中で影響を与えることができる洞察力は、成功する解決策を生み出す基盤である。

なぜ問題点を明確にするのか?

問題点を明確にするモードはデザインプロセスにおいて重要だ。なぜならそれはあなたが努力を通して懸命に取組もうとしている課題を、系統立てて表しているからだ。ほんとうに生成的であるために、あなたはユーザに対する明確で説得力のある課題の定義を、解決策生成の出発点として、最初に組み立てなければならない。

試しに、良い観点とはこういうもの、例えば・・・
・焦点を定め課題の枠組みを示す
・チームを鼓舞する
・競合するアイデアを評価するための資料を提供する
・あなたのチームでメンバーが平行して自主的に判断を下すことができる
・「〇〇しませんか」という言い方で提案することでブレストが盛り上がる
・あなたが出会う人々の興味と心をつかむ
・すべての人々のためのすべてのモノというコンセプトをつくるような無理な作業からあなたを守る
・活動から学ぶようにあなたが再検討し再び明確に述べるべき何かである。
・あなたの核心に向けた努力を導く。

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「着眼点」だと、どこを見るか、というイメージだが、POVはどこから見るかという立ち位置を表しているように思える。よって「観点」と訳してみた。

2012年10月8日月曜日

「感情移入する」モード

bootcamp bootleg p-1

引き続き「bootcamp bootleg」の図解です。
この教材ではデザインのプロセスを(Empatize)-(Define)-(Ideate)-(Prototype)-(Test)という5つのモードに分解して説明しています。重要なことは、これらは時間順に並んでいるのではなく、カテゴリーとして紹介されているということでしょう。この順番にすすめれば誰でもデザインできるなんていうことでは全くないと思いますし、実際できないし。
ここで取り上げるのはEmpathize mode。元の意味がunderstand another person's feelings, experience, etc.なので、日本語で「共感」というのは何だか頼りなくて、ここでは「感情移入」ということばを当てます。「その人を理解する」がいちばん素直な言い方なんだけど・・・。

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Empathize感情移入する モード

感情移入するモードって何?


感情移入」は人間中心デザインプロセスの基盤である。感情移入するために我々は
・「観察する」ユーザとその振る舞いを彼らの生活の文脈の中で観る。
・「かかわり合う」予定を立てて短い時間「割り込み」的な出会い方で、ユーザと交流し面談する。
・「没頭させる」ユーザが体験していることを体験する。

感情移入するのはなぜ?

人間中心設計者(デザイナー)として、自分がデザインする対象となる人々を理解する必要がある。あなたが解こうとしている様々な課題があなた自身のものであることはまれだ。それらは個々の課題である。自分のユーザに対してデザインするために、彼らが誰で彼らにとって何が重要かについて、あなたは感情移入しなくてはならない。


人々が何をしているか、彼らがその環境とどのように対話しているかを観ることが、あなたに彼らが何を考え感じているかの手がかりを与える。それはまた、彼らが何を必要としているかについてあなたが学ぶのを手助けする。人々を観ることで、彼らの経験、彼らのすることや言うことの身体的な徴候をとらえることができる。これはあなたが洞察力をむき出しにするために、それらの経験のぼんやりとした意味を解釈するのを許す。これらの洞察があなたを革新的な解決策へと導くだろう。最適な解決策は人の振る舞いの中への最高の洞察力から導き出される。しかしこれらの洞察力を認知することを学ぶということは、自分で考えることよりも難しい。なぜか?それは我々の精神は、我々が気づかないうちに、自動的にたくさんの情報を排除するからだ。我々は物事を「新鮮な目で」見ることを学ぶ必要がある。感情移入の道具は、人間中心の心構えに沿って、我々にこのような新たな目を与えるものである。

人々とかかわり合うことは、人々の考え方や彼らが持つ価値について途方もない量のことがらを直接的に明らかにする。時にはこれらの考えや価値は、それを持っている人びとにとって見えにくいものだ。深いかかわり合いは、予想もしなかった洞察力が発揮されることによって、デザイナーとその相手を共に驚かすことができる。人々が語る物語と人々がするという事柄は、もしそれが彼らが実際にしていることと異なっている場合でさえも、彼らが世界がそうなっていると深く信じていることを強く示すものだ。良いデザインは、こうした種類の信じ込みや価値の堅固な理解の上に築かれる。かかわり合う目的は:
・人々がそれに気づいているかもしれないし気づいていないかもしれないニーズをむき出しにする
・変革の努力を指導する
・正しいユーザをデザインの対象と位置づける
・振る舞いをひきおこす感情を発見する

自分のユーザと話したり観察したりするのに加えて、自分自身によってデザインの対象となる空間での個人的な経験を持つ必要がある。あなたのユーザが置かれた状況と、そのためにあなたがどの部分に対してデザインするのかをより理解するために自分自身が没頭する体験を見つけよ(必要に応じてつくり出す)。

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※訳してて思うのは、英語では短いフレーズなのに、日本語にするとなぜこんなに長くなるの?
※『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』の日本語訳、部分的に抜けてるよ!
ところで、元の教材のページデザインひどいなぁ。いちばん基本的なグラフィックデザインもできていないようなデザイン・イノベーションて、どうなんだろうね。

2012年10月7日日曜日

デザイン思考の心構え(mindset)

bootcamp bootleg part-1

今回の題材はd.schoolが公開している教材「bootcamp bootleg」です。
(→ダウンロードはこちらから)
日本語に訳された『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』はこちらにあります。
ここでは最初のページにまとめられている「心構え」を取り上げました。ピクトグラムが使われているのですが、これが解りにくい。レイアウトもいまいちで、全然頭に入ってきません。そこで、勝手に再図解してみました。

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デザイン思考の心構え


見せろ!ただ語るな!

あなたのヴィジョンを、経験をつくり出し、説明的な視覚表現を用い、よいストーリーで語ることによる、効果的で意味のある方法で伝えよ。


人の価値基準に焦点を!

あなたがデザインを提供しようとしている人々への共感と、これらのユーザからのフィードバックが良いデザインにとっての基盤です。

明快にかたち作れ!

とっちらかった課題から、ひとつの首尾一貫したヴィジョンを生み出せ。他者を感動させ、アイデアが沸き出すような方法でそれを組み上げろ。



実験を取り込め!

プロトタイピング(試作)は単純に自分のアイデアを実証するための方法ではない。イノベーション・プロセスに不可欠の要素だ。我々は思考と学びのために制作する。

プロセスを意識せよ!

自分がデザインプロセスのどの段階にいるのか、その段階でなんのメソッド(方法)を用いるか、ゴールはどこかを知っていなければならない。


活動偏重!

「デザイン思考」は間違った名称だ。思考というよりも活動だ。思考や会議以上に、活動や制作に力を入れよ。


徹底的にコラボせよ!

様々な背景や視点を持ったイノベーター(革新者)を集めよ。洞察力そして多様性の中から解決策を浮かび上がらせるような突破が可能になる。






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と、ここまでで元の1ページ分です。
せっかくなので、ここに上がった7つの心構えの関係性も図にしてみました。



デザイン・プロジェクトを進める上での心構えとして
様々な視点を持ったチームを作り、
ユーザの価値観に共感した上で
課題からヴィジョンを導き出し、
プロトタイプを見せながら、
さらにユーザを巻き込んだ実践から
ユーザのフィードバックを受けつつ、
プロセスに合わせて様々な手法を駆使して
到達すべきゴールをめざす。


・・・という感じでしょうか。
こうして全体を図にしてみると、プロのデザイナーなら当たり前にできていても、教育現場では難しいなと思う点も明らかになりました。分野を超えたコラボレーションやユーザを巻き込んだプロトタイピングは、教室で机に向かっていても経験できません。これからの授業実践の中で、これらを実現すべくいろいろあがいてみたいと思います。

勝手に図解してみます

ずっとやろうと思っていたことのひとつは、様々な書籍に書かれた理論や視点を全部図にしてみたい、ということでした。それをいよいよ、ここでおっぱじめようということです。 りきまず、ゆるりと、まずは始めて見ます。